研究業績一覧
2019 「ダイブ・コンピューターと減圧症リスク:観光ダイビングにおける身体感覚/能力の増強とリスク認知」『国立民族学博物館研究報告』 43巻4号 p.779-844(査読有) 発行元ウェブサイト
観光ダイビングは、近年マリン・レジャーとして人気が高まり、世界中に多数の愛好者がいる。海棲生物との出会いや海中での浮遊感を楽しむダイビングは、熱帯域のビーチリゾートでの観光活動の定番の一つとなっている。しかしその一方で、人間が呼吸することができない水中に長時間とどまることから、スクーバ・ダイビングは本質的に危険な活動である。スクーバ・ダイビングは、窒息死を始めとする、様々な身体的リスクの源泉でもある。本稿は、観光ダイビングを、かつては人間が滞在することの能わなかった水中という異世界へと進出する活動として捉える。観光ダイビングの実践においては、水中での人間の身体能力の限界を補うために、多様なテクノロジーを活用して事実上の身体能力の増強がなされている。本稿は、そうした各種テクノロジーのなかでもとりわけ、水中滞在時間と深度を計測して減圧症リスクを計算する技術/機器としてのダイブ・コンピュータに着目して、その導入と普及によって成立しているダイバーにおける独特なリスク認知の様相を、明らかにする。
2018 「タイ東部における観光ダイビング産業の発展:南部と差別化された〈棲み分け〉の構造」 小河久志との共著 『多民族社会における宗教と文化』 21号 p.23-46 発行元ウェブサイト
観光ダイビングの舞台として望まれるのは、美しく豊かな原生自然である。タイでは従来から、その条件に当てはまる南部のアンダマン海やタイ湾南西域が、観光ダイビングの舞台として高い評価を受け、多くの観光ダイバーを集めてきた。しかし近年、タイにおける観光ダイビング市場が拡大する中で、従来は工業地域として発展してきたタイ東部の沿岸でも、ダイビング産業が発展しつつある。本稿は、近年タイ東部がダイビング・ツーリストを集めるようになってきた理由を、中心的なダイビング観光地である南部との違いを念頭に置きながら、整理し報告する。具体的には、魚礁として船を沈めるなど自然の人為的な(観光ダイバーの視点からしての)改良、典型的な自然美を愛でる以外のダイビングの楽しみ方の創出、ダイビング・スキルの練習の場という非日常性の薄い観光目的地としての位置づけなどを通して、南部とは異なる東部に独自の観光価値を提示することで直接の競争を避ける〈棲み分け〉が成立していることを、明らかにする。
2018 「ゲストのセキュリティ化:「リスク社会」を生きるプーケット在住日本人ダイビング・ガイドの観光人類学」『観光学評論』 6巻1号 p.87-107
プーケットは長く美しいビーチに恵まれたタイ最大の島であり、現在ではタイ南部で最も多くの国際観光客を集めるリゾート地となっている。観光ダイビングはプーケットにおける主要な観光アトラクションのひとつであり、母語でのサービスを受けたいツーリストのニーズに応えるため、日本人を含む外国人ダイビング・ガイドが数多く居住している。本稿は、プーケットの日本人観光ダイビング・ガイドが、人びとをリスク・コンシャス(リスクへの意識が強く深く内面化された状態)にしていく世界という意味での「リスク社会」を生きている、と考える。その上で、彼らの職業生活の一側面を、リスクとセキュリティという観点から理解する。具体的には、セキュリティという概念を、リスクとの対比のうちに差異化して規定することにより、生活を脅かす種々のリスクの直面するプーケットの日本人ダイビング・ガイドたちの行動/態度に見られる独特の傾向を、明らかにする。
2016 「楽しみのダークネス:災害記念施設の事例から考察するダークツーリズムの魅力と観光経験」『立命館大学人文科学研究所紀要 』110号 p.23-60 発行元ウェブサイト
ダークツーリズムとは、人間の苦しみと死に関連づけられた場所への旅行であると、おおまかに受け止められている。本稿の目的は、ダークツーリズムにおける「ダークネス」について、改めて考察を深めることである。ダークツーリズムへの一般的な理解からすれば、そのダークネスとは、死と苦しみに特徴付けられる観光地にかかわるものと捉えられる。我々はそれを「対象のダークネス」と呼べるだろう。対して本稿は、言わば「楽しみのダークネス」と呼ぶべき、ダークネスのもうひとつの側面への、着目を促す。すなわち、ダークツーリストたちが多かれ少なかれ、他者の悲劇の物語と視覚イメージから、ある種の密かな楽しみを得るという事実である。本稿は、日本とタイの災害記念施設を訪れる観覧者の経験への考察を通じて、ダークツーリズムの明白でありながら表立って語られてはこなかった楽しみと魅力を、明らかにする。
2015 「エスニック・ビジネスの差別化資源:台湾におけるタイ料理店の競争環境と経営戦略」『宮城学院女子大学研究論文集』 121号 p.17-44 発行元ウェブサイト
本稿は、台湾におけるエスニック・ビジネスとしてのタイ料理店を取り上げて、台湾への適応の結果として現在に至る、発展状況と経営戦略の特徴を、主に商品の差別化という観点から、描き出す。2000年代半ばまでの台湾の外食市場では、「タイ人がタイ料理店を経営する」という通常のエスニック・ビジネスのあり方が成立しづらい状況が存在していた。本稿は、台湾人の東南アジア諸国への知識不足、タイ料理の賞味者としての未熟さ、タイ料理業界がタイ人出稼ぎ者を顧客として発展してきた歴史的経緯、タイ人出稼ぎ者への偏見、などの諸条件が重なった結果、タイ人エスニック・ビジネスが競争優位を得るための差別化が困難となっていた事実を、複数の事例の比較検討から、明らかにする。
2013 「タイ南部沿岸における観光開発と漁業:プラチュワップキーリカン県バーンサパーン湾を事例として」 小河久志との共著 『宮城学院女子大学研究論文集』116号 p.39-59 発行元ウェブサイト
タイにおけるビーチエリアの観光開発ではこれまで、既存の産業である漁業を観光業が駆逐する、結果として漁民たちは生業を奪われるという形で進行して来た。本稿では、近年になって観光開発が進みつつある漁民の在住エリアである、タイ南部のバーンサパーン湾における観光関連ビジネスを事例として取り上げて、観光業と漁業の相互関係について、考察する。漁業の現状と潜在的な観光資源を具体的に検討し、観光業と漁業が、一方が他方を駆逐する、または参入を拒むという排他的な関係ではなく、共存してシナジーを生む可能性創出に向けて、地域住民参加型の自然立脚型観光を育てるという、提言を行う。
2011 「プーケット復興委員会の熱い夏:インド洋津波後のプーケット在住日本人の経験におけるリスクと孤独」『地域研究』 11-2号 p.161-187 (査読有) 発行元ウェブサイト
本稿は、プーケットで観光業を営む在住日本人たちが、インド洋津波による観光客の激減をいかに体験したのかを明らかにする。特に、彼らが観光市場の急激な縮小に対する対応策として立ち上げた「プーケット復興委員会」の活動に焦点を当てて、風評災害の進展に伴うプーケット在住日本人たちの経営/生活戦略と心理状況とを、描き出していく。彼らにとって風評災害とは、収入減に代表される生活環境の激変と将来における雑多な苦難の公算であり、特に自己責任で引き受けなければならない無数のリスクが立ち上がる事態として捉えられた。しかしより着目すべきは、事態の推移に対して極めて限定的にしか関与できないという無力感や徒労感などによる、精神的な苦痛の大きさである。何よりも、当時の彼らを苦しめていたのは、自らの生活の安全を脅かす種々の危険以上に、それらの危険への対処の努力を通じて図らずも強められていった、承認されないまま見捨てられているという孤独や打ち捨てられた疎外の感覚による「存在論的不安」であった。
2011 「災害から地域を見る:タイ南部におけるインド洋津波の微視的描写」『地域研究』11-2号 p.108-118 (査読有) 発行元ウェブサイト
2004年にタイ南部のアンダマン海沿岸を襲ったインド洋津波は、同地域における未曾有の事態であった。地域研究の観点からは、同じ津波災害であっても、地域に特有な歴史・経済・社会などの諸要因により、ある特徴的な形で現象すると考えられる。本稿は、タイ国内では辺境にあり続けながら、同時に国境を超えたグローバル化の波に急速に飲み込まれつつあるという、今日のアンダマン海沿岸地域が置かれたローカルとグローバルの併存状況が、津波災害の独特な有り様をもたらしたことを、概観する。
2010 「〈獲る〉海から〈見る〉海へ:ワイルドライフ・ツーリズムによるリーフの観光資源化」『年報タイ研究』 10号 p.17-34 (査読有) 発行元ウェブサイト
かつては漁撈活動の場であった熱帯から亜熱帯にかけてのサンゴ礁は、現在ではむしろ観光資源としてより高く評価されるようになってきている。本稿は、タイのサンゴ礁を事例に、漁業の舞台としての〈獲る〉海から観光の舞台としての〈見る〉海への転換がいかにして進んできたかを明らかにする。さらに、ダイビング観光業者による職業実践(特にダイビング・ツアーにおけるガイド業務)の分析から、リーフ漁業とダイビング観光とは、地理的領域と対象資源が重なり合うにもかかわらず、その担い手においても、活動の特質においても、動員される知識と技能においても、大きく断絶していること示す。さらに、それがゆえに、リーフの〈見る〉利用(サンゴ礁を観光商品として売り出すマーケティングと、観光実践における楽しみの提供)のあり方は、〈獲る〉利用の延長ではなく、全く新しい文脈において考察されなければならないことを、主張する。
- 誤植修正:p.33の注5における記述「標記」は「表記」の誤りです。
2010 「危険からリスクへ:インド洋津波後の観光地プーケットにおける在住日本人と風評災害」『国立民族学博物館研究報告』 34巻3号 p.521-574 (査読有) 発行元ウェブサイト
本稿は、2004年インド洋津波がプーケット観光業にもたらした風評災害の複雑なメカニズムを解きほぐして理論的に整理すると共に、人々がどのようにして困難に対応したのかを詳細に描き出し、リスクという観点から考察する。M. ダグラスらによる「リスクの文化理論」は、人びとが未知で突発的な危機に対応していくことで不可避的に生じる社会の動態性を、充分には考慮していない。そこで本稿は、社会(文化)が人びとのリスク認識を規定するという「リスクの文化理論」の前提を継承しつつ、N. ルーマンによる「危険/リスク」の弁別を導入することによって、「危険のリスク化」という視座を提案する。「危険のリスク化」とは、危機に直面した個人の認識および行動の両面における継時的な運動である。その視座において本稿は、津波後のプーケット在住者によるリスクへの認識と対応は、環境に対する反応である一方で、自らが身を置く社会の有り様を更新していく、すなわちリスク対応を通じて環境を構築していく運動でもあったという事実を、浮き彫りにする。
2009 「楽しみとしての〈自然〉保護:インド洋津波後のタイ南部アンダマン海におけるサンゴ修復ボランティア」『文化人類学研究』 10巻 p.102-131 (査読有)
本稿は、2004年末におけるインド洋津波の来襲襲われた直後から2005年3月頃まで、プーケットの日系ダイビング観光業者が、観光資源であるサンゴ礁が破壊され、さらに来客が激減するという特異な事態のなかで、どのような行動をとったのかを記録・分析する事例研究である。具体的には、彼らが注力したボランティア活動であるサンゴ修復プロジェクトの経過を追い、時系列に沿って描き出す。ダイビング観光に従事する人々とサンゴ礁の自然との関わりについて、経済合理性や効率性のみでは割り切れない多面性を提示すると共に、自然を対象とした観光活動と自然保護との両立について、可能性の示唆と問題の指摘を行なう。本稿が注目するのは、ダイビング・ガイドたちによるサンゴ修復プロジェクトへの参加が、観光収入を得るための資源の保全という経済的な関心を排除したボランティアとして成立したという、特異な局面である。自然を対象とした生業に付随する楽しみに注目する「マイナー・サブシステンス」の視座を援用することにより、楽しみに誘引された自己目的的活動としての自然保護の成立可能性について考察する。
2009 「2004年インド洋大津波のプーケット観光への影響(リスク人類学シリーズ1)」 Kyoto Working Papers on Area Studies Vol.28, 京都大学
本稿は、2004年インド洋津波がプーケットの観光産業にもたらした物理的な直接被害と、観光客の減少などの二次的な間接被害とを、各種の情報源を比較検討して見積もるともに、国連やタイ政府などによる公的な報告書においては見過ごされてきた、観光産業の一端を担う在住外国人(特に日本人観光事業者および観光関連の労働者)への被害を、被災直後から断続的に実施した聞き取り調査にもとづいて、描き出すものである。観光は津波の被害を受けたタイ南部6県における最重要産業と言える。津波後はその観光収入が激減したため、地域経済へのマイナス影響が極めて大きく、連鎖的に地域経済全体の落ち込みにつながった。特に、プーケットの経済で大きな比重を占めるインフォーマルセクターに位置する事業者や従業員は突然の状況の変化や解雇に対する公的な庇護を受けていないため、観光市況の悪化に際しては真っ先に苦況に追い込まれた。しかし、政府機関に対する政治的発言力を大企業が独占していることもあり、弱者のニーズを敏感に反映した救済策は取られにくいのが実情であった。
2009 「インド洋津波と風評災害:タイ南部プーケットにおける観光客の減少と在住日本人」『社会人類学年報』 35号 p.107-119 (査読有)
観光地における風評災害への対策は重要な課題として浮上しつつあるが、ある特定の観光地の訪問を忌避するというのはなぜかという消費者心理に研究関心が集中する一方で、風評災害に襲われた人々が被る生活上の変化については、一種の盲点となってきた感がある。そこで本稿は、世界的に著名な観光地であるタイ南部のプーケットを事例として取り上げて、2004年インド洋津波がもたらした風評災害が、その被災者たちにとっていかなる事態であったのかに、目を向ける。特に観光業における小規模事業者たちが、その生業上の経営戦略においてどのように事態を捉え、どのように対処したのかという、当事者たちの経験の一端を具体的に描き出し、報告する。
2008 「棄老伝承の語る老いと死:構造分析による読解の試み」『日本民俗学』 255号 p.66-104 (査読有)
本稿は、「オヤステヤマ」や「ウバステヤマ」などという呼び名で知られる、老人遺棄を主題とする物語の構造分析を通じた読解を試みるものである。日本における棄老伝承に関する学術的興味は、それが史実の残滓か否かという点にあった。対して本稿では議論の水準を変えて、象徴人類学/構造人類学的な視点から、棄老伝承に反映された死や老人の位置づけなどについての民衆の世界観の一端を、垣間見る。本稿が提示する構造分析の含意は、大まかに以下の二点に集約される。第一に、物語の継起的な構成のされ方から、棄老伝承は「死」を象徴的に語るという意味で特殊な通過儀礼の物語だと解釈することができる。第二に、棄老伝承の三つの類型の相互連関から、老人の独特な位置づけられ方が明らかにされる。そこに含意されるのは、イエ制度における支配的な関係性である父系の系譜と、機能的には劣位にある絆との、対立的な関係である。
2007 "Economic anthropology of Bangkok go-go bars: Risk and opportunity in a bazaar-type market for interpersonally embedded services," Research in Economic Anthropology, Vol.25, p.125-151 (査読有) 発行元ウェブサイト
本稿は、拙著『ゴーゴーバーの経営人類学』(2003年)において提示された、性的な接客サービスを生業とする個人事業者たちの経営戦略という観点からの考察について、分析概念を刷新して議論を拡張するものである。従来のバザール型市場論が物財の取引のみを念頭に置いていたのに対し、本稿は、接客サービスの取引がバザール的な不確実性の強い条件下で行われた場合についての考察を展開する。接客サービスのバザール型市場においては、サービス取引当事者間の社会的心理的な関わりが、機能的サービスの売買において付随的に生じるのみならず、それ自体が売買対象となる局面が生じやすいことに着目し、そのような関係=売買対象を、「対人関係に埋め込まれたサービス」と規定する。さらに、その取引において焦点化される不確実性は、情報の不足がもたらす不確実性に加えて、サービス購入後に(もしくは消費の過程において)多面的な文脈において顕在化してくる「創発的不確実性」であることを指摘する。その上で、バザール型市場における売り手-買い手関係の従来的なモデルでは、リスク回避が重視されて取引関係が長期化し、かつ均衡することで安定するとされていたが、取引対象が「対人関係に埋め込まれたサービス」である場合には、創発的不確実性の介在により、取引関係が長期化しつつも不均衡へと向かう可能性が生じることを示した。
2006 「風評災害の社会学に向けて:「風評被害」論の批判的検討」『Sociology Today』 15号 p.41-51 (査読有)
災害や事故などをきっかけに特定の土地の産品や観光が消費者に敬遠される事象に関して近年盛んになった「風評被害」論に関する批判的考察。「風評被害」という従来の概念が曖昧さを排しきれておらず、防止や軽減に向けた有効な議論が行えていない実情を批判的に検討したうえで、「風評災害」という筆者独自の定義を提示。風評災害を軽減するためには、「風評」という言葉に象徴される従来の社会心理学的な枠組みによる原因理解に基づく市場対策(マーケティング・アプローチ)のみでは不十分であり、事態を「災害」と捉えた上で、災害研究およびリスク研究の知見を加味した多面的なアプローチが必要であることを、主張する。
2006 "Reputational disaster in Phuket: The secondary impact of the tsunami on inbound tourism," Disaster Prevention and Management, Vol.15(1), p.111-123 (査読有) 発行元ウェブサイト
タイの国際的な観光地プーケットにおいて、インド洋大津波の物理的な一次被害に加えて、観光客の激減による経済的な二次被害が深刻となっている状況を報告。筆者が提唱する、そうした事態を単に消費者心理の問題としてのみ理解するのではなく、長期的・複合的な過程としての「風評災害」として捉える観点から、プーケットにおける国際産業の構造や在住者の置かれた社会政治的な位置づけまでを含めて、インド洋津波が深刻な風評災害に帰結した過程と構造的メカニズムを整理する。その上で、主に一次被害を対象として発展してきた社会科学的な災害研究の視座を経済的な二次被害にまで拡張するという、「風評災害の防災・減災」アプローチを提唱する。
2004 「在日タイ人越境者たちの職業生活:新宿区大久保のタイ料理店従業員を事例として」『生活学論叢』 9号 p.34-4 (査読有)
外国人住民の増加により従来的なコミュニティーの維持が困難となりつつある東京都大久保を事例として、主にタイ料理店の従業員を対象に、日本に滞在する動機・意識・行動などを調査。越境者の生活戦略という観点から、日本に滞在する動機・意識・行動などを調査。地域社会へと溶け込むことに積極的ではない滞日タイ人たちと日本人コミュニティとの「共存」を可能とするためには、タイ人たちにおける「一時滞在者」というアイデンティティを理解した上で、同質化を強制するのではない「異文化共生」への努力が必要であることを示唆する。
2003 「セックスと愛と携帯電話:バンコクのゴーゴーバーから展望するタイ社会の一断面」『年報 タイ研究』 3号 p.67-82 (査読有) 発行元ウェブサイト
バンコクを舞台とする「セックスツーリズム」の実態の微視的な分析から、現代タイ社会を取り巻く、国際化や消費社会化などのマクロ状況を展望する試み。現代のタイ社会において、携帯電話などの最新の情報ツールは、タイ人同士のコミュニケーションの形を変えるのみならず、かつてはテレビや映画が担ってきた諸外国への覗き窓の役割を、インタラクティブな交信経路を付加しつつ担う。外国人向け性産業で働く女性セックス・ワーカー達は、その交信経路を駆使して、顧客との国境を越えたコネクションを形作っている。
2003 『ゴーゴーバーの経営人類学:バンコク中心部におけるセックスツーリズムに関する微視的研究』 めこん
本書は、筆者が提唱する「経営人類学」というアプローチにおいて、観光のホスト-ゲスト関係における国家とジェンダー秩序を背景とする政治性を暴くと共に、接客サービスの売買への新たな理解の局面を開く。具体的には、タイのセックスツーリズムの現場を、高度なインフォーマル性と不確実性を特徴とする、性的な接客サービスの競争的市場と捉え、サービスを生業とする個人事業者の経営戦略と、サービス消費者たちの購買心理および行動を詳細に分析する。取引当事者たちの行動の細部にわたる検討から、彼らが直面するリスクの母胎となる不確実性が、情報不足の態様に応じて二つのパターンに分けられることを見い出す。その上で、質的に異なる二つの不確実性の混在という観点を導入することで、C.ギアツらが展開してきたバザール型市場論の視座を拡張する。加えて、個人間の私的な関係性が商品となり市場に流通するという現代社会の一面を指摘し(「親密性産業」という 視座を提案)、経済と感情の錯綜した様相とそこに生じる創発性を描写する。
- 書評:『週刊朝日』(2004年3月12日号 p.98)松原隆一郎氏
- 書評:『文藝春秋』(2004年4月号 p.389-392)鹿島茂氏・福田和也氏・松原隆一郎氏 *『読んだ、飲んだ、論じた―鼎談書評二十三夜』(飛鳥新社)に再録
- 書評:「性觀光:經營人類學的觀點」『婦研縱横』(2005年10月號76期 pp.81-96、台灣大學婦女研究室)邱琡雯氏
- 新刊紹介:『文化人類学』(69-3号 p.481-482、日本文化人類学会)住原則也氏
- 書評と紹介:『比較人文学年報』(第6号 p.133-134、名古屋大学大学院比較人文学研究室)寺田騰氏
- 被引用:「闇への跳躍:プライベートなものの生成について」『現代思想』(2004年6月号・特集フェミニズム p.150-163)後藤浩子氏 *『〈フェミニン〉の哲学』(青土社)に再録
- コメント:高橋源一郎氏のウェブ日記(2004年1月21日・2月24日分)
- 本書の内容紹介(目次など)、書評の一部再録はこちら(めこんウェブサイトへのリンク)
- 記述ミス・誤字脱字などの正誤表はこちら(2004年12月25日更新)
2014 『リスクの人類学:不確実な世界を生きる』 東賢太朗・市野澤潤平・木村周平・飯田卓(共編著)、世界思想社
- 序章 「リスクの相貌を描く:人類学者による「リスク社会」再考」 p.1-27
- 第2部イントロダクション 「リスクコンシャスな主体」 p.121-131
- 第4章 「危険だけれども絶対安心:ダイビング産業における事故リスクの資源化」 p.132-156
序章においては、人類学的な視座から「リスク」および「リスク社会」を定義した上で、人類学者によるリスク研究の基本的な方向性を、提案する。第2部イントロでは、現代を生きる人びとがリスクという困難に囚われていく過程を描き出す視座を、提示する。第4章では、観光ダイビング産業のマーケティング戦略とインストラクターの職業実践を分析する。ダイビングという活動が不可避的に伴う人身事故などのリスクが、巧妙に営業資源に転換され、市場拡大に利用されるメカニズムを、素描する。
2015 「プーケットにおける原形復旧の10年:津波を忘却した楽園観光地」 木村周平・清水展(共編)『新しい人間、新しい社会:復興の物語を再創造する(災害対応の地域研究5)』 p.161-193、京都大学出版会
2004年12月26日のインド洋津波に洗われ、多数の犠牲者を出したプーケットをはじめとするタイ南部アンダマン海沿岸のビーチリゾートでは、被災から10年を経た2015年現在、高台移転や防潮堤築造といった目立った防災対策がなされぬまま、ホテルやレストランが再建されている。本稿では、プーケットが経験してきた独特な復興の軌跡を振り返り、防災を重視する日本の災害復興のあり方と対比させながら、その合理性について考察する。
2011 「「性転換」という迷路:「性同一性障害」者における性自認をめぐる欲望と現実」 春日直樹(編)『現実批判の人類学:新世代のエスノグラフィへ』 p.248-269、世界思想社
本稿は、日本における「性同一性障害」者への聞き取り調査から、自身が「男性/女性である」という現実がいかにして構築されるのかを考察し、また一方の性から他方の性へと移行しようとする過程が、どのような現実として立ち現れてくるのかを描き出す試みである。
2009 「越境としての「性転換」:「性同一性障害者」による身体変工」 奥野克巳・椎野若菜・竹ノ下祐二(共編)『セックスの人類学』 p.283-314、春風社
医学という専門知識の体系に立脚し、高度に専門分化したテクノロジーの成果を縦横に活用して組織的に行われる性的身体の変工が、女から男へ(もしくは男から女へ)の性別の変更を求める人々、すなわち「トランスセクシャル」による「性転換」である。本稿は、日本とタイの「トランスセクシャル」の事例を通じて、現代社会における「性転換」を概観する。タイ人「トランスセクシャル」のライフヒストリー、日本の「性同一性障害者」が向き合う困難、日本人がタイを訪れて手術を受ける現状(メディカル・ツーリズム)、女性から男性への「性転換」手術の実際などが、主に考察される。そこから見えてくるのは、人間の「性転換」が動物のそれとは異なり社会や技術と切り離せないがゆえの特殊性であり、また性的身体を変工する自由を得た人間がその自由に捕縛されていく姿である。さらに、現在の日本において性別違和を解消する治療を受けるためには、「障害者」として認定され・取り扱われることが制度的な前提となっている事実を指摘し、それが性の多様性や性的自己決定権を毀損する重要な問題であることを示す。
2008 「ビジネス・パーソンの経営学:ソフトな専門家の職業生活」 春日直樹(編)『人類学で世界をみる:医療・生活・政治・経済』 p.245-262、ミネルヴァ書房
本稿は、経営学という学問の隆盛がアカデミズム外部の市場に支えられている点に注目し、経営学的な専門知識が「商品」として消費されている様を描き出す。ビジネスの現場において経営学は、経営学者に代表される知識の生産者たちによる企図や思惑を超えて、多彩な文脈で利用され得る。むしろ建前上の用途からずらして活用されるからこそ、経営学の市場は巨大であり、その生産と消費のシステムが肥大化するのだというのが、本稿の主張である。また本稿は、「経営学的知識の一般消費者」としてのビジネス・パーソンの描写を通じて、D. ショーンなどが提示する従来的な「専門家」像とは異なり、状況の複雑性と不確実性に対処するうえでの専門知識の柔軟な活用を特徴とする、「ソフトな専門家」という概念を提案する。
2005 「ホスピタリティ産業への経営人類学的接近」 山下晋司・福島真人(編)『現代人類学のプラクシス:科学技術時代への視座』 p.181-193、有斐閣
近年存在感を増す一方の「ホスピタリティ産業」における主要な商品は、機械による代替ができないフェイス・トゥ・フェイスの接客である。多くの企業が効率の良い定型化されたサービスを追求している一方で、きめ細やかな暖かみのある接客への需要はなくならない。「ホスピタリティ産業」における高度な接客サービスの現場では、まさに人と人との関係が商品化されている。経済人類学が伝統的に非市場経済を考察対象としてきたために、市場社会におけるホスピタリティの商品化に関する人類学的研究は、未だに試行錯誤の域にある。本稿は、いわゆる「ホスピタリティ産業」における高度な接客サービスの商品価値を捉えるうえで、経済合理性に加えて社会・文化・心理的要素に重きを置く「経営人類学」の視座が有効であることを示す。社会における効率化の追求が進展する一方で、個人の私的な領域が商品化される潮流が反作用的に強まっている事実を指摘した上で、感情労働論や経済人類学など既存の視座を超えて、市場交換のような功利的・機能的な活動と、個人間の私的で人格的な領域(関係性)との二分法を廃し、その絡み合いとして経済現象を捉えるアプローチを提示する。
2018 スミス、ヴァレン L. (編著)『ホスト・アンド・ゲスト:観光人類学とは何か』 市野澤潤平・東賢太朗・橋本和也(監訳)、ミネルヴァ書房
Smith, Valene L. (ed.) (1989) Hosts and Guests: The Anthropology of Tourism (second edition), University of Pennsylvania Press の全訳。
本書は、観光人類学の嚆矢であると同時に、「ホストとゲスト」という枠組みを世に問うた観光学の古典としても名高い。移動、余暇、非日常性などの人類学理論から観光を考える視座を提示した上で、世界各地におけるホストとゲストの関係や、観光開発による文化変容を、つぶさに描き出す。
- 市野澤翻訳部分 第14章「人類学的視座からの観光研究」 p.343-362
2019 「セックスツーリズム」p.398-399 白坂蕃ほか(編)『観光の事典』 朝倉書店
2014 「宮城学院女子大学リエゾン・アクション・センター(MG-LAC)の役割と課題:災害復興ボランティア(被災児童支援)を中心に」『私学経営』 No.474(2014年8月号) p.29-36 公益社団法人私学経営研究会
2014 「観光立国としてのタイ」p.115-118 「性産業の広がり」 p.122-125 綾部真雄(編)『タイを知るための71章(第2版)』 明石書店
2014 「盛り場」『世界民族百科事典』 丸善出版 p.248-249
2014 書評: 木村周平(著)『震災の公共人類学:揺れとともに生きるトルコの人びと』 (世界思想社、2013年)『アジア・アフリカ地域研究』 第13-2号 p.286-289
2013 「タイ人の微笑み」 吉原和男ほか(編)『人の移動事典:日本からアジアへ・アジアから日本へ』 丸善出版 p.390-391
2013 「風評災害に立ち向かおう:インド洋津波に襲われたプーケットの経験に学ぶ」 総合観光学会(編)『復興ツーリズム:観光学からのメッセージ』 同文舘出版 p.93-100
2011 「東日本大震災によせて」 木村周平・清水展・林勲男との共著 『文化人類学』 第76巻第1号 p.89-93
2011 「ジェンダーと観光」 安村克己・堀野正人・遠藤英樹・寺岡伸悟(編著 )『よくわかる観光社会学』 ミネルヴァ書房 p.88-89
2009 日本タイ学会(編)『タイ事典』 めこん(執筆項目:インターネット/カトゥーイ/性産業/若者文化)
2009 書評: 山下晋司(編)『資源化する文化(資源人類学02)』 (弘文堂、2007年) 『文化人類学』 第74巻第2号 p.338-341
2003 「若者たちの長い夜」『アジア遊学』 Vol. 57(特集 バンコク:国際化の中の劇場都市) p.58-68
2019 分科会趣旨説明「不確実性の人類学に向けて」 日本文化人類学会第53回研究大会(2019年6月2日、東北大学)
2018 「「ホスト/ゲスト」論再考:観光人類学3.0に向けて」 日本観光学術学会第8回研究大会(2017年7月8日、二松学舎大学)
2018 分科会趣旨説明「『ホスト・アンド・ゲスト』再考:観光人類学の新展開に向けて」、分科会発表「ゲストに敵対するホスト:観光における対人接客サービスとホスピタリティを再考する」 日本文化人類学会第52回研究大会(2018年6月3日、弘前大学)
2017 「観光業における「個人的安全保障化」の進展:プーケット在住日本人観光ダイビング・ガイドにおけるリスクとセキュリティ」 日本観光学術学会第7回研究大会(2017年7月7日、神戸山手大学)
2014 「楽園のコンシェルジュ:プーケットの日系ダイビング・ガイドの事例にみる「楽園」の裏側」 日本文化人類学会第48回研究大会(2014年5月17日、幕張メッセ)
2013 分科会趣旨説明「自己と〈異物〉の見えない関係:身体と外部との「境界」をめぐる不確実性」、分科会発表 「〈浸潤〉される身体をめぐる不確実性と累積的リスク:観光ダイビングの経験における減圧症の問題」 日本文化人類学会第47回研究大会(2013年6月8日、慶応大学)
2012 「マスツーリズムと「エコツーリズム」:タイ南部プーケット島のダイビング観光業における「環境保護」意識」 日本文化人類学会第46回研究大会(2012年6月23-24日、広島大学)
2011 「ワイルドライフ・ツーリズムと不確実性:タイのダイビング観光を事例に」 日本文化人類学会東北地区研究懇談会2011年度第4回例会(2011年12月10日、山形大学)
2010 「観光産業と風評災害:スマトラ沖地震・津波後のプーケット在住日本人社会における不確実性とリスク」 東南アジア学会第84回研究大会(2010年12月5日、東洋大学)
2010 「人類学的リスク研究の可能性(分科会趣旨説明)」 日本文化人類学会第44回研究大会(2010年6月12日、立教大学)
2009 「見る資源としてのサンゴ礁:アンダマン海におけるダイビング観光の展開」 日本タイ学会第11回研究大会(2009年7月4日、京都大学)
2008 「津波後のタイ南部アンダマン海におけるサンゴ修復プロジェクト:マイナー・サブシステンスとしての環境保護活動の可能性」 日本タイ学会第10回研究大会(2008年7月5日、一橋大学)
2007 「人類学的リスク研究の開拓へ向けて(分科会趣旨説明)」 日本文化人類学会第41回研究大会(2007年6月2日、名古屋大学)
2006 "Reputational disaster in Phuket after the Indian Ocean Tsunami: From the viewpoint of transboundary risk management," The 8th Asia Pacific Conference on Disaster Medicine, 21 Nov 2006 at Tokyo Conference Center Sinagawa
2006 「危険からリスクへ:インド洋大津波後のプーケット島における風評災害を事例に」 日本文化人類学会第40回研究大会(2006年6月3日、東京大学)
2005 「経営学はいかに消費されるか:日本のIT企業の事例より」 日本文化人類学会第39回研究大会(2005年5月22日、北海道大学)
2004 「準合理的な経済行動の研究としての経営人類学:概論的問題提起」 日本文化人類学会第38回研究大会(2004年6月5日、東京外国語大学)
2003 「オクシモロニック・ワーク:バンコク中心部におけるバーガールたちの職業的現実」 日本民族学会第37回研究大会(2003年5月24日、京都文教大学)
2002 「セックスワーカー - 顧客関係の複雑性:バンコクのフィールドワークより」 日本民族学会第36回研究大会(2002年6月1日、金沢大学)
2019 「観光人類学3.0に向けて」 公開シンポジウム「観光人類学の新展開:『ホスト・アンド・ゲスト』の磁場を超えて」(2019年1月26日、宮城学院女子大学)
2014 「ダークツーリズムと観光経験:被災地観光をめぐる一考察」 立命館大学人文科学研究所重点プロジェクト「グローバル化とアジアの観光」主催 ワークショップ 「ダークツーリズムという問い」(2014年11月16日、立命館大学)
2014 「アンダマン海の観光ダイビングにおける偶然の遊び」 早稲田大学高等研究所主催シンポジウム「不確実性の人類学」(2014年2月1日、早稲田大学)
2012 「2004年インド洋津波後の観光産業における風評災害:プーケット在住日本人社会における不確実性とリスク」 バンコク・タイ研究会第50回記念シンポジウム(2012年2月26日、京都大学東南アジア研究センターバンコク事務所)
2009 「『プーケット復興委員会』の熱い夏:プーケットにおける風評災害と在住日本人たちの<孤独>」 上智大学大学院GS研究科 大学院生・次世代研究者ワークショップ 「海域世界からみたグローバル化2:タイ南部アンダマン海におけるインド洋大津波の多様な相貌」(2009年12月12日、上智大学)
2009 「『エスニック・ビジネス』再考:台湾におけるタイ料理店を事例として」 第63回現代人類学研究会(2009年11月21日、東京大学)
2009 「ダイビング観光における賭博性:ワイルドライフ・ツーリズムの魅力に関する一考察」 日本観光研究学会研究分科会「地域と観光の相互作用における表象・空間・経験の現代的位相」(2009年7月12日、立教大学)
2009 「ダイビング観光と生態リスク管理:タイ南部アンダマン海におけるダイビング・ガイドの視点から」 第59回現代人類学研究会(2009年5月29日、東京大学)
2009 「獲る海から見る海へ:タイ南部アンダマン海におけるダイビング観光」 上智大学大学院GS研究科2008年度第5回大学院生・次世代研究者ワークショップ 「海域世界からみたグローバル化:タイ南部アンダマン海からの人類学的視角」(2009年1月17日、上智大学)
2008 「未来のふたつの顔:津波後プーケットにおける風評災害と在住日本人」 公開シンポジウム「人類学的リスク研究の探求」(2008年10月11日、京都大学)
2008 「直線という迷路:「性同一性障害者」による「性転換」に関する一考察」 第55回現代人類学研究会(2008年7月26日、東京大学)
2008 「身体からの疎外、身体への疎外:トランスセクシュアルの人類学へ向けて」 公開シンポジウム「セックスの人類学」(2006年6月28日、桜美林大学)
2005 "From barrier to firewall: Reconceptualizing border through the case study of Thai and Indonesian migrant workers to Taiwan," Diversity in One Taiwan: Taiwan-Japan Graduate Students International Conference, 28 Oct 2005 at National Chi Nan University, Puli, Taiwan. (in collaboration with S. Takano)
2005 「プーケット観光における〈風評被害〉:津波災害の間接的影響と復興への課題」 国立民族学博物館研究フォーラム 「インド洋地震津波災害被災地の現状と復興への課題」(2005年4月23日、国立民族学博物館)
2005 「プーケット島のパトンビーチにおける〈風評被害〉:津波災害の観光産業への影響」 バンコク・タイ研究会(2005年4月19日、京都大学東南アジア研究センターバンコク事務所)
2004 「市場/経済行動/社会関係 『ゴーゴーバーの経営人類学』書評を通した学際的対話」 第29回現代人類学研究会(2004年12月5日、東京大学)
2004 「人類学と経営学の接点を探る:小規模個人事業主を例とした経営人類学的理解の試み」 国立民族学博物館共同研究 「会社文化と宗教文化の経営人類学的研究」研究会(2004年5月22日、国立民族学博物館)
2004 「タイ大学生のPC購買意思形成過程:構造方程式モデリングによる考察」 バンコク・タイ研究会(2004年2月1日、京都大学東南アジア研究センターバンコク事務所)
発表者が Assumption University に提出したMBA論文の内容紹介。消費者行動論においては一般に、高価な耐久消費財の購買意思形成過程については、欧米の商品と消費者を調査対象としてモデル化されてきた。本論文では、バンコクのPCユーザーを対象に質問票調査を行い、タイの市場におけるPC消費者の購買意思決定過程に関しては、従来の標準的なモデルでは説明しづらい点があることを、実証的に指摘。さらに、因子分析、クラスター分析および構造方程式モデリングを使用した検証的分析によって、タイの市場に適合的な独自の仮説的モデルを構築・提示した。
2019 「ダークツーリズムの素直な描き方?」『北陸人類学研究会ニューズレター』 No.28 p.1-4
2013 「ダイビング・ショップのTシャツ(世界の制服)」『月刊みんぱく』 2013年9月号 p.22-23 国立民族学博物館
2007 「2004年インド洋大津波後のタイ南部を歩く」 東京大学東洋文化研究所ウェブサイト「アジア研究情報ゲートウェイ」掲載エッセイ
2006 「プーケットは元気:インド洋大津波と風評災害(万国津々浦々)」『月刊みんぱく』 2006年2月号 p.16 国立民族学博物館
2005 「新宿区のタイ人ネットワーク」『遠近』 3号(2005年2月) p.31 国際交流基金
2004 「飛べないノック(見ごろ・食べごろ人類学)」『月刊みんぱく』 2004年8月号 p.22-23 国立民族学博物館
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